ぼくが一年生だった冬のこと。あの雪の日は今も心にのこる思い出です。

作/藤原一枝
絵/はたこうしろう
出版社/岩崎書店
税込価格/1,430円
3時間目のおわりころから雪が降り始めました。よそのお母さんたちが、傘や長靴を持って迎えにきましたが、ぼくのお母さんは仕事でこられません。バスに乗って、二つ目の駅で乗りかえました。体が冷えてぼくはアイスキャンデーになったような気持ちになって、泣きました。知らないお兄さんやおばさんが親切にしてくれました。やっと家に帰ると、お兄ちゃんはもう帰っていて「ぼくはお母さんのところによって、お金をもらってタクシーで帰ったんだ」えーっ、そんなあ。でもぼくは、あの日のことがなぜか忘れられません。