いつでも、どこでも、気軽に手に取れる絵本、あらゆる分野を網羅して、心の成長のために、学びのために、安らぎのために、多くの宝物をくれる絵本、どうぞ手に取って読んでみてください。
ひとりで読むのも、家族で読むのも、多くの子どもたちに読み聞かせるのも自由です。
絵本の選者 正岡慧子(絵本・児童文学作家)
絵本の
SOBA(そば)はクロアチア語で「部屋」のこと。
みなさんが絵本のSOBA(そば)で過ごす時間がより充実することを願って情報をお届けします。
2024年12月の”推し”絵本
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今月のお客様
児童ノンフィクション作家
望月 芳子さん
アメリカ・ミシガン州デトロイトに生まれ、岡山市で育つ。子どもの頃から本を読むのが大好きで、青山学院大学文学部で日本文学を学ぶ。フリーのライター・編集者として、医療・健康関係などさまざまな雑誌や書籍、Webサイトの執筆・編集に携わり、10年ほど前から子ども向けのノンフィクションも執筆。2014年、第5回子どものための感動ノンフィクション大賞優良作品賞受賞。
日本児童文学者協会、および日本児童文芸家協会員。
ご受賞おめでとうございます!
今年度の「児童ペン賞ノンフィクション賞」
「ふるさとはウクライナ」
文 望月芳子
絵 ミヤザキケンスケ
出版社 ナイデル
税込価格 1,980円
本書は、ウクライナの民族楽器バンドゥーラの演奏家として、平和を祈りながら日本で活動するカテリーナさんの生き方を描いたものです。
カテリーナさんはチェルノブイリ原発のすぐそばのプリピャチで生まれ、生後一か月の時に被災しました。その後、強制避難を経て、6歳の時に被災した子どもたちで構成された音楽団に入団し、海外公演にも参加しました。公演で訪れた日本が好きになり、19歳の時に来日。以降、日本国内では数少ないウクライナの民族楽器バンドゥーラの奏者・歌手として、戦火にある故郷ウクライナに心を寄せながら演奏活動をしています。
そんなカテリーナさんの平和への願いを救いあげ、読者に手渡したいとの想いから取材しました。
<出版社からひと言>
子どもたちに、カテリーナさんの演奏活動を通じて、夢を持つこと、戦争のこと、ウクライナのことを、少しでも知ってほしいと思い、出版しました。
【Webサイトはこちら】カテリーナさんは、全国各地でコンサートを開催していますね。
コンサートでは珍しい民族楽器、バンドゥーラを紹介したり、日本の歌だけでなく、ウクライナを想う古い民謡の弾き語りをしたりしています。
コンサート情報
ウクライナの平和を願い チャリティーコンサート
日時:2025年2月19日(水)18:00開場 19:00開演
場所:三鷹市芸術文化センター 風のホール
チケット:前売り券 2,000円・当日券 2,500円
お問合せ先
一般社団法人ジョイフル・ウィングス
電話:0422-87-2240
メール:contact-info@joyfulwings.or.jp
カテリーナさんが代表理事を務める一般社団法人ジョイフル・ウィングス主催のコンサートで、売上はウクライナの方たちのために使用しています。
絵を担当したミヤザキケンスケさんは、世界中で壁画を描いていますね。
Super Happy をテーマに、見た瞬間に幸せになれる作品を制作しているミヤザキさんは、世界中で現地の人々と一緒に壁画を残す活動、「 Over the Wall 」を主宰しています。空爆で壊れてしまいましたが、2017 年にウクライナでも壁画を描きました。
児童ノンフィクションのおもしろさと大変さは?
「事実は小説より奇なり」という言葉がありますが、ノンフィクションの魅力は「事実の重み」だと思います。
本当にあった出来事を知ることは私たちの視野を広げ、考えるきっかけになります。また、物語の登場人物なら感動するだけで終わってしまうかもしれませんが、実在の人物だからこそ、「こんな仕事、こんな生き方があるんだ」と思ったり、「私もやってみたい」「自分も何か頑張ってみようかな」などと勇気をもらえたりするのではないでしょうか。
私は好奇心旺盛なので、普通に生活していると接点がない方に取材したり、普段行けないような現場を見せていただいたりするとワクワクしますし、自分が心動かされた事柄や言葉を「誰かに伝えたい」という想いからノンフィクションを書いています。
嘘は書けないので、可能な限り取材先に足を運び、限られた時間でなるべく効率よくお話をうかがえるように、事前に徹底的に資料を探して読み込みます。そうやってたくさんの材料を集めても、アウトプットするのはごくわずかです。子どもたちが興味を持って読んでくれるように、ストーリー性を持たせ、わかりやすい表現にしなければならないからです。そこがノンフィクションを書く難しさであり、醍醐味といえます。
おすすめのウクライナの絵本はありますか?
日本で発売されている絵本には、「てぶくろ」(福音館書店)、「えんどう豆太郎」(在日ウクライナ大使館)、「かものむすめ」(福音館書店)、「セルコ」(福音館書店)、「わらのウシ」(福音館書店)、「空とぶ船とゆかいななかま」(光村教育図書)などがありますが、新しい絵本では「いえ あるひ せんそうが はじまった」(汐文社)が出版されています。
【『いえ あるひ せんそうが はじまった』詳細はこちら】