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2023年11月号 絵本のSOBA

2023年11月の”推し”絵本

※各絵本をクリックするとコメントが表示されます。

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今月のお客様

鹿児島県「南種子町おはなし子ども会」

南種子町おはなし子ども会の皆様
プロフィール

種子島宇宙センターを有する鹿児島県南種子町で活動しているおはなしボランティアグループ。
宇宙関連企業や、町独自の取り組みである山村留学制度「宇宙留学」、サーフィンなどを目的に県外からの移住者が多いという背景のもと、転勤などで移住した家族の母親が中心となって1994年に発足。活動にあたっては次の3つを目標に掲げ、地域と読書のつながりを深めている。

絵本や物語の楽しさ、良さが子ども達に伝わり、読書に興味を持つきっかけを作ることができるようにする。
地域の子ども達が芸術や地域の文化に触れる機会を提供する。
活動を通して、子どもや、メンバー同士、地域とのつながりを深めることができるようにする。

2023年「第53回野間読書推進賞」(団体の部)受賞。

団体Instagramはこちらから

① 団体について
――メンバーには、どのような方が集まっていますか? メンバー集めの工夫がありましたら、ぜひ教えてください。

発足から約30年の時を経て、発足当初からのメンバーはおりませんが、現在は、町出身の方をはじめ、宇宙関連企業の転勤や留学などで種子島に来た家族など12名で活動しています。年齢層は30代~定年退職後の方もおり、小学生の子を持つ母親が8割を占めています。10年以上在籍しているメンバーもおりますが、転勤や留学期間の終了で1年~数年で卒業するメンバーもいます。春になると、また島に新しく来られた方が入会してくれています。先輩達から受け継がれている長年の活動を大切にしつつ、新しいメンバーからの良い刺激で、会が活性化していると感じています。

メンバー集めは、お知らせを、町広報誌に掲載、小学校を通して各家庭に配布、また図書館に掲示して行っています。また、今年度からの取り組みとして会のインスタグラムを始め、活動の様子をアップするとともにメンバー募集も告知しています。これを見て入会してくれたメンバーもおり、今後もSNSを活用していきたいと思っています。

② 活動について
――定例のおはなし会である「おはなしの時間」や、依頼のあった小学校に赴く「おはなし宅配便」をはじめ、さまざまなお取組みをされています。それぞれの簡単な概要や対象者を教えてください。

主な活動は次の4つです。

1.「おはなしの時間」
1.「おはなしの時間」

毎月1回、土曜日の10時から約30分間、町立図書館の隣の会議室で子ども達に読み聞かせを行っています。幼児~小学校低学年を対象としています。絵本や紙芝居、エプロンシアター、手遊びや身体遊びなど、子ども達が退屈せずお話しに集中できるように内容を工夫して実施しています。子ども達が本の楽しさを感じて読書に興味を持つきっかけづくりとして、また転勤や留学などで初めて島に来て孤立しがちな親子の交流の場になればと考えて行っています。

2.「おはなし宅配便」
2.「おはなし宅配便」

町内にある小学校(8校のうち7校、いずれも全校生徒10~30人程度の小規模校)に出向いて読み聞かせ活動を行っています。各学校の読書週間に合わせて依頼を受け、実施されています。学校の体育館または広い教室などに全校生徒が集まり、授業の一環として45分間行います。大型絵本、パネルシアター、郷土の民話、大型紙芝居、本の紹介など1年生から6年生まで全校生徒が楽しめるような内容にしています。プログラムは毎年新しく作成し、同じプログラムで1年間各小学校を訪問します。

3.「親子読書講座」

南種子町主催の生涯学習講座(町主催の文化教室のような講座)の一つとして、「親子読書講座」を企画し、講師を担当しています。今年度は、想像力や表現力を育てながら物語の楽しさを知ってもらうため、オリジナル紙芝居作成を行っています。1時間×6回の講座で、親子5組が参加しています。

4.「図書館劇場のお手伝い」

毎年2回、町立図書館が主催となり島外から劇団を招待して図書館劇場が開催されています。私達は、会場設営や受付など運営のサポートをしています。島内には劇場や美術館などがないため、生の舞台を見る機会がなかなかなく、図書館劇場は子ども達が舞台芸術に触れる貴重な機会となっています。

③プログラムについて
――絵本の読み聞かせから紙芝居、エプロンシアター、そして種子島の民話と、多彩なプログラムが特徴です。どのように組み合わせてプログラムをつくっていますか? プログラムづくりのポイントがあれば教えてください。

③プログラムについて

「おはなしの時間」と「おはなし宅配便」においては、子ども達が座ったままお話しを聞く時間が長くなりすぎないよう、読み物の間に身体遊びやストレッチ体操などを入れお話に集中してもらえるよう工夫をしています。
「おはなし宅配便」では対象が1年生から6年生と幅広いため、プログラム作りに難しさを感じることもあります。読み物は低学年~中学年がわかりやすいものにし、本紹介で高学年にも興味を持ってもらえる本を入れるなどバランスを考えて作成しています。

④ “推し”(おすすめ)の作品について
―― “推し”の作品を教えてください! また、実際に子ども達の前で披露したとき、どんな反応がありましたか?

パネルシアター「すてきな帽子屋さん」
パネルシアター「すてきな帽子屋さん」

作 増田裕子
出版社 カエルちゃん
税込価格 3,143円

子ども達に人気のデュオ「ケロポンズ」の増田裕子さんのミュージックパネルシアターです。物語が歌で展開されていき、音楽にのせて心も踊るパネルシアターです。読み聞かせ会で使用する時は、自分達でピアノ伴奏をつけて演じると、より楽しい雰囲気になります。「うさぎさんに似合う帽子はどれ?」と聞くと子ども達が答えてくれて、掛け合いも楽しめます。音楽に合わせて手拍子をするなど、子ども達が自然に参加しやすい作品です。

紙芝居「へっこきよめ」
紙芝居「へっこきよめ」

文 香山美子
画 川端 誠
出版社 教育画劇
税込価格 1,760円

大きなおならで、おばあさんをふっとばしてしまったおよめさんの有名な昔話の紙芝居です。小学校での読み聞かせ会「おはなし宅配便」で読んだ時、大きなおならの音を「ブッ、ブッ、ブブブー!」と大きく強調して読むと、子ども達は大笑いでした。会場を明るく盛り上げてくれる作品です。

絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」
絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」

編 くさばよしみ
絵 中川 学
出版社 汐文社
税込価格 1,760円

2012年にブラジルで環境問題を話し合う国際会議が行われました。そこで小さな国ウルグアイの大統領のスピーチが大きな感動をよび、その内容を絵本にした作品です。 「幸せってどんなこと?」と考えるきっかけになればと、小学校での読み聞かせ会「おはなし宅配便」での本紹介のコーナーで紹介しました。その読み聞かせ会は全学年が対象のため、低学年にもわかりやすい作品を選びがちですが、この本を紹介することで高学年にも満足してもらえるバランスの良いプログラムを作り出すことができた作品です。

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