2023年2月の”推し”絵本
※各絵本をクリックするとコメントが表示されます。
ようこそSOBAへ
今月のお客様
第37回「家の光童話賞」最優秀賞 伊東 葎花さん
雑誌『家の光』で募集した、わが子に贈る創作童話・第37回「家の光童話賞」。応募作品680編の中から最優秀賞に輝いた「手ぬぐいそうせんきょ」の作者、伊東 葎花さんにお話を伺いました。
伊東さんは茨城県美浦村在住。作品は、雑誌『家の光』2023年1月号に掲載されています。
①「家の光童話賞」に応募したきっかけはどんなことでしたか?
以前からこの賞の存在は知っていましたが、ハードルが高い気がして応募はしていませんでした。いろいろ挑戦して自信がついた頃、友人から「出してみたら」と勧められたのがきっかけです。
自然豊かなところで暮らしているので、家の窓から田んぼが見えて、田植えから稲刈りまでを毎日見ることが出来る環境も大きかったです。
テーマが自然や農業なので、この環境を生かせると思ったのです。
②「手ぬぐいそうせんきょ」は、おばあさんと一緒に畑へ行く手ぬぐいが、毎晩の選挙で決まっているという発想がユニークです。作品に込めた思いをお聞かせください。
このお話を書き始めたのは5月ごろで、ちょうど選挙が行われていました。
選挙カーを見かけたときにふと、話の中に選挙を取り入れたら面白いかなと思いました。
何に選挙をさせるかを考えて、手ぬぐいが浮かんだのです。
観光地に行くと、必ずと言っていいほど手ぬぐいが売られています。
カラフルでお洒落な手ぬぐいは、買う気がなくてもつい手に取ってしまいます。
そんな思いが重なって、今回のお話になりました。
選挙ってちょっと難しいかな、とも思ったのですが、娘が幼稚園の頃とてもませた子で、小さいのに大人みたいな言葉を使っていたことを思い出しました。
それで、あえて「異議あり」とか「満場一致」といった普段は使わない言葉を取り入れてみました。私の周りには小さなお子さんがいないので、子供たちの反応がとても気になります。
③2021年度の「家の光童話賞」でも佳作を受賞されています。童話を書くときに意識しているポイントを教えてください。
いちばんは、題材選びと発想だと思います。
普段から頭の中で楽しいことを考えていると、ある日突然ハッと浮かぶことがあります。
浮かんだら、考えずにとりあえず書き始めて、パイ生地みたいにしばらく寝かせます。
読み直して「ちょっと違う」と感じて、出だしから書き直すこともあります。
そしてもうひとつ意識しているのは、自分の体験や自分の目で見た風景などを思い浮かべながら書くことです。想像の話の中にも、自分らしさが出せるように思います。
そして何より、自分が楽しむことが大事ですね。
書いていて楽しいと、いいお話につながります。
④伊東さんの “推し”(おすすめ)絵本を教えてください!
「つみきのいえ」
文 平田研也
絵 加藤久仁生
出版社 白泉社
税込価格 1,540円
自分用に絵本を買うことはほとんどないのですが、この本は手元に置いておきたくて買いました。
優しい絵もお話も、とても好きです。
海に沈んでしまった街や、そこにひとりで暮らすおじいさん。
決して悲しいお話ではないけれど、身につまされるところがあります。
「このあとどうしちゃおう」
作 ヨシタケシンスケ
出版社 ブロンズ新社
税込価格 1,540円
死をテーマにした絵本なのに、すごく面白い。
可愛くて楽しい発想がいっぱいです。
そして、ちょっと悲しくて考えさせられるステキな絵本です。
プレゼント用に買ったのですが、自分でも欲しくなって購入しました。