10月の”推し”絵本
秋めいた空気がただよう季節、読書の秋をさらに楽しめる絵本6選
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今月のお客様
童話作家 新井悦子さん
絵本を書くこと・届けること
絵本を書く、ということ
さまざまなジャンルの創作に挑戦していますが、不思議なことに、絵本になるのは、いつも子育ての中から自然に生まれた物語ばかりです。
デビュー作の『きょうはとくべつなひ』では、弟が生まれたときのお兄ちゃんの気持ちを描きました。実際に長男が次男を抱っこしたとき、恥ずかしそうに体をくねらせて「あったかい」とつぶやいたことをモチーフにしています。弟へのやきもちで赤ちゃん返りした長男でしたが、体をふれあったときに自然に出た言葉で、「かわいい」ではなく「あったかい」と言ったのが印象的でした。
『きょうはとくべつなひ』
文/あらいえつこ・絵/いりやまさとし
出版社/教育画劇
税込価格/1,210円
また『だいすきのしるし』では幼稚園の発表会が舞台です。実際に私が用事で発表会を見に行けない日がありました。その時の「お母さんが来られなくてもがんばる」、と言った次男のひたむきな姿がモチーフです。
『だいすきのしるし』
作/あらいえつこ・絵/おかだちあき
出版社/岩崎書店
税込価格/1,430円
すでに子どもたちは21歳と19歳。今でも幼い頃の息子たちの言葉は絵本の創作の源であり宝物ですね。
絵本を届ける
童話・絵本作家の他に、地元の短大や大学で講師を務めています。短大の保育科ではこれから保育士や幼稚園教諭になる学生に、子どもの言葉の発達や絵本の選び方、読み聞かせのやり方を教えています。大勢の子どもたちの前で読み聞かせを行うことを前提に、一生の友達と呼べるような「マイ絵本」をひとり1冊ずつ選んで、みんなの前で読み聞かせをしてもらいます。はじめは慣れなくて恥ずかしそうにしている学生も、授業の最後では絵本の魅力にすっかり取り込まれて楽しそうに絵本の話をしてくれます。この学生たちが将来子どもたちに絵本を届ける立場になると思うと、私の仕事は責任重大ですね!