6月の”推し”絵本
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今月のお客様
児童文学作家、専業農家 堀米薫さん
わたしは農家として、肉牛やお米、野菜を育てながら、童話を書いています。
『はくさいぼうやとねずみくん』は、家の光童話賞に入賞した作品を絵本化したものです。畑を見ていて、ふと頭に浮かんだことを物語にしました。農業をしていると、野菜も虫も動物も、そしてわたしたち人間も、それぞれの時を刻みながら、巡り巡って共に生きていることを、肌で感じるんですよ。これからも、土のにおいのする作品や、命のきらめきを感じられる作品を、みなさまにお届けできたらと願っています。
そして、もう一冊。肉牛を飼っていると、「出荷の時は涙がでるでしょう?」とよく言われます。でも、農家の感覚はちょっと違うんですよ。
『ゆうなとスティービー』は、我が家で実際に会った話をもとに書いた絵本です。子牛のスティービーは目が見えないため、何倍も手をかけて育て、やがて出荷の時が来ます。その時流れた涙は、悲しい涙ではなく、感謝の涙でした。わたしたちが一生懸命に育てた牛がみんなの命になって輝くことを、心から納得できたからです。命をめぐる絵本はたくさんありますが、家畜の命について、農家の視点で書いた絵本です。ぜひ読んでくださいね。