お母さんの背中は子どもにとっての天国。新美南吉の心です。
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詩 新美南吉
絵 長野ヒデ子
出版社 のら書店
税込価格 1,320円
おかあさんたちは みんな ひとつの、 てんごくを もっています。どの おかあさんも どの おかあさんも もっています。それは やさしい せなかです。(後略)
私の記憶の中にもあります。温かくて安心なお母さんの背中から、お母さんのすることを興味深く見ていました。人々の顔を見たり、会話を聞いたり、外の景色をながめたり、何とステキな場所だったでしょうか。この詩が書かれたのは1931年頃だと、絵を描かれた長野さんのあとがきにあります。戦争の時代でも、お母さんの背中にいるときは子どもの至福の時間だったと思います。