人はなりたい職業につくのか、必要な職業につくのか、それとも?
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作 ポーラ・ホワイト
訳 いけださちこ
出版社 BL出版
税込価格 1,760円
どこにでもあるような海辺の村にぼくの家はある。だれもが海を中心に働いている。船大工、帆を作る職人、網やロープの職人、猟師など。女の人も魚をさばき、それを樽に詰めて塩漬けにする。生活の真ん中に海があるんだ。だからぼくは、大きくなったら漁師になる。恐れを知らない勇敢な猟師に。でも、ぼくの父さんは猟師じゃない。パン屋だ。パンや甘い菓子やビスケットを焼いて、村のカフェに卸し、人々に買ってもらい、船の上にも運ぶ。どうして父さんはパン屋になったのだろう? 父を知ることで、ぼくの人生も変わる。