人が育つって、言葉だけではなくあらゆる生活の記憶なんですね。

作 ジョーダン・スコット
絵 シドニー・スミス
訳 原田 勝
出版社 偕成社
税込価格 1,760円
ぼくのおばあちゃんは、もとにわとり小屋だった家に住んでいる。ぼくが行くと、庭でとれた野菜がたっぷり入った朝食を用意してくれる。おばあちゃんはあまり英語がしゃべれないので、身振り手振りで話をする。オートミールをこぼすと、おばあちゃんはそっと拾い上げてキスをし、ぼくのおわんにもどす。おばあちゃんは、長いこと食べるものがなくて困ったことがあったのだ。雨がふるとミミズを集めにでかけ、それを野菜畑に放つ。祖母と孫の生活風景の中には、寄り添う魂があります。大切なものをそっと手渡すような愛のお話しです。