命に始まりと終わりがあるのは木も人間も同じ。そして……。

作 林 木林
絵 広野 多珂子
出版社 すずき出版
税込価格 1,320円
この冬最後の寒さがやってきた日、森で一番背の高いけやきの木が倒れました。もう歳をとっていたのです。春がくると、けやきのまわりに小さな花や草が芽吹き、虫たちが集まってきました。けやきの木から青空に飛び立つのが大好きだったきじばとや、木の枝でいつも遊んでいたりす、木の枝にすわることに憧れていたうさぎ。けやきは、森の動物たち全てのお気に入りでした。色づいた葉っぱが集まって、毛布のようにけやきを包みます。空が一番素晴らしいと思っていたけやきの木も、今は土のうえのすばらしさを感じています。そして……。