ある土曜日、一郎のところに山猫からおかしな手紙が届きました。
作 宮沢賢治
絵 高野玲子
出版社 偕成社
税込価格 1,760円
手紙には、めんどうな裁判があるので手助けをしてほしいと、へんな文字で書いてありました。一郎は嬉しくて、日曜日に山へ出かけていきました。山の草地にたどり着くと、山猫は黄色い陣羽織を着てやってきました。そして、どんぐりの中で誰が一番えらいかをもう3日も決めかねているというのです。どんぐりたちは、それぞれに自分が一番えらいと言ってひきさがりません。さて、一郎はなんと答えるでしょうか。賢治の心にある平等の意識や、社会の不条理などが、心に深く伝わってきます。銅版画の技法を用いた絵も見事です。