昔話はいつも何かを教えてくれる。時代に押し流されない何かを。
作 李錦玉
絵 朴民宣
出版社 岩崎書店
税込価格 1,540円
貧しいお百姓の家に生まれたチョルとトルの兄弟は、小さいときからとても仲が良く、寝るのも起きるのも遊ぶのも、いつもいっしょでした。父さんが死んだあと、二人は畑も豚もにわとりも、家にあるものは全部二人で分け合いました。二人とも夫婦そろってよく働いたので、秋にはみごとな稲が実りました。チョルは考えました。「トルを、すこしでもたすけてやらねば」。チョルは稲をずっしりと背負うと、そうっとトルの家の庭に積み上げて帰りました。一方トルは……。何度運んでも庭に帰ってくる稲束の秘密は? 朝鮮の昔話です。