日本の昔話は日本人の心の源を語るもの。優しい気持ちが宝物。

再話/せたていじ
画/赤羽末吉
出版社/福音館書店
税込価格/990円
昔、あるところに貧乏なじいさんとばあさんがあったと。おおみそかがきたので、じいさんはあみ笠を五つこしらえて、町へ売りにいったと。ところが、町では米や魚は売れても、笠なんか見向きもされん。日が暮れて雪も降ってきた。しかたなく、笠を背負って帰る道すがら、途中の野原で吹雪にさらされている地蔵さまに出会った。「はだかでゆきかぶって、さぞさむかろう」じいさんは、かついでいた笠を順々にかぶせ、6人目の地蔵さまには自分の笠をかぶせた。すると、正月の朝、じいさんのところにやってきたのは……。日本の昔話の定番です。