初めて褒められた料理はおむすびだった。
「おむすび、上手だね」
子供の頃から、手のひらを真っ赤にしておむすびをむすんでいた。
こんなにも食べ物の体温を肌で感じる料理は他にはない。
まず、米にしっかりと吸水させてから、加える水は少しだけ控えて炊く。
ごはん一粒、一粒をつぶさず尊重できるように。
そして、むすぶときにはその米粒の間にある空気を意識する。
空気を抱き込むようにそうっと、ぎゅっと…。おむすびの体温を感じながら。
手軽に買うこともできるけれど、やっぱり、わたしはおむすびはむすびたい。
投稿日:2019年6月21日 お知らせカテゴリー:連載コラム「おむすびとわたし」