「バアチャンはお嬢様育ちだから、家事も料理も一切しない」、母がよくこぼしていました。
私が小3の時、母が弟の出産で入院しているあいだだけ、バアチャンが弁当におむすびを作ってくれました。
毎日、砲丸投げの鉄球ぐらいのものが一個。
しょうゆのたっぷり染みた厚いのりが、お昼にはすっかり乾いてしまいます。
そのライチの皮のようなのりを噛みちぎると、中の方まで茶色く染みたしょっぱいご飯とセンターからズレて、所在不明の梅干。
強烈なバアチャンの、おむすびでした。
投稿日:2019年10月29日 お知らせカテゴリー:連載コラム「おむすびとわたし」