料理家になりたての頃、おむすびの撮影がありました。年上の編集者に「聖子ちゃんのおむすびって大き目ね。でも塩加減がちょうどいいわ」と言われたことがあります。そう、私は背が高く、手も大きいので無意識のうちにおむすびが大きくなってしまうのです。塩加減をほめられたことは、新人の私にとって、とても嬉しい出来事でした。そのときのおむすびの中身が何であったのかは忘れてしまったけれど。
もうひとつ、おむすびで思いだすのは息子が小さかった時のことです。食が細くて心配しました。2~3歳の時、「何が食べたい?」と聞くと「おむすび」と。中身は何がいいかな、少しでも栄養のあるものを、のりやゴマも漬けた方が美味しいに違いない、と母は思いました。しかし彼は「塩だけがいいの」とゆずらず。
ミニ塩おにぎりを作ると満足そうに食べたのでした。ちなみにうちのお米は、ごくふつ~のスーパーのお米です。日本のお米はいつでも美味しいって、分かっていたのかもしれませんね。
投稿日:2019年10月15日 お知らせカテゴリー:連載コラム「おむすびとわたし」