• 家の光協会が開催する
  • さまざまなコンテストや
  • 地域に読書の輪を広げる
  • ための講座等を紹介します

一般社団法人 家の光協会は、
JAグループの出版文化団体です。

興味の種の萌芽 _読書エッセイ

興味の種の萌芽

佳作 『興味の種の萌芽』 宇都宮梓・福岡県・22歳  とある夏休み、大学生の私は母の頼みで母の知人の子どもの面倒を見ることになった。その子はまだ小学校低学年の女の子だった。指定された図書館で、数時間後にまた迎えにくると約 …

『きょうはなんのひ?』の日

佳作 『『きょうはなんのひ?』の日』 城田由希子・奈良県・56歳  保育園でたくさんの絵本を読んでもらったおかげで、息子は絵本が大好きになった。お気に入りは、瀬田貞二さんの『きょうはなんのひ?』。  保育士さんによると、 …

二人きりの読書会

佳作 『二人きりの読書会』 髙田智子・滋賀県・34歳  大学に入って初めて出来た友人を、こんなことで失くしてしまった。彼女と私は一般教養で日本文学の講義を取っていた。教授が、次週までに太宰治の『斜陽』を購読し、感想文を書 …

桐箪笥と「破戒」

佳作 『桐箪笥と「破戒」』 渡辺惠子・神奈川県・84歳  昭和三十年四月二十日。私の二十歳の誕生日のことだった。 「何事も無く二十歳を迎えられ、本当に良かった。おめでとう! これは、お祖母ちゃんからのお祝いだよ」 祖母は …

音の光景

佳作 『音の光景』 森田直也・東京都・26歳  中学生の頃、二日間の職業体験があった。私は視覚障がいを持つ小学生の先生をやることにした。子供たちと対面して最初に思ったのは、今振り返っても大変に失礼だが「人の目の印象は大き …

背伸び

佳作 『背伸び』 小松崎有美・埼玉・35歳  悔しくてちょっぴり切ない私の思い出。それは小学校一年生のときのこと。母子家庭で育った私は学校が終わると毎日図書館で母を待っていた。おやつもなければ、話す友達もいない。あったの …

彼のように

佳作 『彼のように』 鎌田脩平・北海道・22歳  小学校二年生、三学期の終業式。その日は私の担任の先生が定年退職を迎える日。先生はその日の帰りの会に大きな段ボールを持って登場した。私たちはその中に何が入ってるか、ざわざわ …

「ひみつ」

優秀賞 『「ひみつ」』 村上晴美・兵庫県・53歳  (えっ、またこれ。)幼い娘が持ってきたのは『ひ・み・つ』という絵本だった。「夜寝る前に一冊だけ好きな本を読んであげる」という約束をしていた。毎晩持ってくるその絵本は、兄 …

勝手に借りて勝手に返す

優秀賞 『勝手に借りて勝手に返す』 大刀祢小百合・石川県・25歳  その日はとても疲れていた。いつもの事ながら仕事で上司に理不尽な説教を受け、精神的にボロボロ。帰りに美味しい物でも買って気をまぎらわせようかという気分さえ …

歩け父娘

優秀賞 『歩け父娘』 栗原庸介・東京都・41歳  小五の娘と今年で四二になる私の二人で、恩田陸さんの『夜のピクニック』を実際にやってみよう、という話になった。『夜のピクニック』は、2005年に第二回本屋大賞を受賞。歩行祭 …

 

ページトップへ